日本GPのスプリントレースでは、一部のライダーのリアタイヤにブリスターが発生した。この状況を受け、ミシュランは決勝レースのアロケーションから、リアタイヤのソフトコンパウンドを外すことを決定した。
今週末、ミシュランのタイヤアロケーションは、フロント、リアともに3種類のコンパウンド、つまりソフト、ミディアム、ハードである。リアに関しては、昨年よりも高い剛性レベルのものが選択された。ソフトとミディアムは標準のケーシングだが、ハードについては補強ケーシングが使用されており、オーストリアでアロケーションされている。このアロケーションは、リアの温度が高くなることを予想したものである。
スプリントレースでは、マルコ・ベツェッキとジャック・ミラーを除くライダーが、フロントにミディアム、リアにハードを選択した。ベツェッキとミラーは、リアにミディアムをチョイスしている。
このなかで、アプリリアのホルヘ・マルティンやドゥカティのフランチェスコ・バニャイアなどが、リアタイヤのブリスターに見舞われた。
3位のマルティンは、「5〜6周したところで、リアタイヤに問題が出始めた」と説明している。
「最初は左側からで、少し抑えながら走ろうとしたんだけど、最後の4周はストレートで本当に何もできなかった。6速までずっとホイールスピンしていたよ。残念だけど、完走できたことはうれしい。あの状態で走るのは本当に難しかった」
また、バニャイアは最終ラップでピットイン、リタイアを選択した。
「でも、レースの半分を過ぎたあたりから、振動に悩まされるようになった。周を重ねるごとにどんどんひどくなって、最終的には止まらなければならない状態になった。残念だけど、そういうこともあるよ」
小椋藍は11番手から順位を上げて5位でゴールしたが、やはり終盤の2周でタイヤの影響があったと述べた。
「最後の2周まではストレートでも滑っているのは感じてたんですけど、タイムは落ちなかったので問題なかったです。ただ、残り2周はタイムに影響するくらいになってしまいました」
一方で、リアタイヤの影響がなかったライダーもいる。
例えば、優勝したマルク・マルケスはタイヤの摩耗について問われて「確認はしていないけど、まだ43秒台でも走れるタイヤだったから、タイヤの消耗はすごくよかったと思う。ソフトでも十分だったよ」と語っている。実際のところ、マルケスは12周のスプリントレースで、残り2周まで1分43秒台のラップタイムを維持していた。
スプリントレースで初めてトップ3を獲得したルーキーのディオゴ・モレイラは、状況としては「最後の2周はもう限界だった」と言う。ただ、モレイラの場合、「でも、ラップタイムは出ていたし、すごく速く走れていた」ということだった。「あと1周あれば、もっとトップ3争いをしていたかもしれない」とも語っている。
一部のライダーにリアタイヤのブリスターが発生した要因は、いくつかある。もてぎのレイアウトそれ自体がタイヤに負荷をかけるということもあるが、再舗装後にミシュランがテストできていない、そして今年のスプリントレースではペースがかなり上がった、といったことが挙げられる。
ここで、ミシュランから提供された、二輪部門のモータースポーツマネージャーであるピエロ・タラマッソさんのコメントを引用したい。
「昨日(金曜日)と今日(日曜日)の午前中にタイヤをテストして、温度を確認しました。全体的にかなり高く、限界に近い温度でした。とはいえ、12周のスプリントでは管理できるだろう、と考えたのです」
「ところが、スプリント(のペース)は本当に、本当に速かった。スプリントのトータルレースタイムは9秒も速かったのです。今朝の予選でも、ラップレコードが0.6秒速く更新されました。つまり、非常に速いペースで、温度も高かったのです。また、スプリントのときには路面温度が40度でした」
実際のところ、2025年のスプリントレースのトータルレースタイムは20分59秒113(優勝はバニャイア)だったが、2026年は20分50秒376だった。12周のレースで約9秒の短縮である。シンプルに計算したとしても、2025年より1周あたり0.75秒もレースペースが上がっていることになる。
「もうひとつ重要なポイントは、スプリントでは燃費の問題がないことです。つまり、ライダーたちは1周目から最後まで、フルスロットルで走ります。そういう状況では、タイヤに非常に大きなエネルギーをかけることになりますし、ホイールスピンも起きます。こうしたことは、どれもタイヤにとってよくありません」
「こうしたコンディションでは、タイヤをマネジメントしなければなりません。ライダーやマシンによって、うまくマネジメントできたところもあれば、そうではなかったところもありました。重要なのはタイヤに加えるエネルギーを少なくして、温度を低く抑え、できるだけホイールスピンをさせないことだからです」
「その結果、かなり大きなブリスターに見舞われたライダーもいました。例えばアプリリアが2台、ドゥカティが1台です。一方で、ほかのドゥカティ、マルクは何も問題ありませんでした。KTMは全車問題なく、ホンダもその問題に直面したのは1台だけでした。この状況は本当に、ライダーのライディングスタイルとタイヤマネジメント、そしてマシンのセッティングに関係しています」
この結果、ミシュランは決勝レースのタイヤアロケーションから、ソフトコンパウンドを外すことを決めた。
「ミディアムは少し耐久性が高く、コンパウンドも(ソフト)より強いです。ただ、ミディアムもマネジメントする必要があります。もしマネジメントせずに最初から最後までプッシュしたいのであれば、より強いケーシングを採用したハードという選択肢があります。そして、これが明日に向けてミシュランが推奨するタイヤです」
なお、スプリントレースでリアにミディアムを選択したベツェッキは、スプリントレースでの感触について「僕はミディアムで走っていて、ミディアムの摩耗はそれほど悪くなかった。でも、さらに12周というのはかなり長いから、未知の部分が少し大きいね」と説明している。
こうした状況を受け、日曜日朝のウォームアップ・セッションは、通常の10分間から20分間に拡大され、9時35分から9時55分に行われる。この週末のリアタイヤのオプションはソフトまたはミディアムであり、ハードを使用したライダーがいないからだ。決勝レースでオプションとなるのであれば、これを評価しなければならない。
決勝レースに向けてのポイントは、ウォームアップ・セッションの20分間でのタイヤの評価。そして、正しいタイヤ選択となる。



























