転倒を喫するもプラクティスでトップ10入りを果たす
開幕戦タイGPの金曜日は、複雑な天候となった。昼頃から雨粒が落ちてはやむ、を繰り返す。15時から行われたMotoGPクラスのプラクティスでは、雨が降っていることを知らせるレッドクロスのフラッグが振られては収められ、また雨が降り出してレッドクロスのフラッグが振られる。その繰り返しだった。
風も強めで、その代わりに暑さはやわらいだ。いずれにしても、ライダーたちは複雑なコンディションでタイムアタックを行わなければならなかった。
もちろん、小椋藍も例外ではない。
小椋は、プラクティスの終盤に7コーナーで転倒を喫した。囲み取材で小椋が説明したところによると、「2回目のタイムアタックにいって、少し雨粒が落ちてきたのがわかったのでゆっくり2周しました。そのあとピットに戻って、数分間ピットにいてからまたコースインしたのですが、タイヤが冷えていたんですね。それでクラッシュしました」ということだった。複雑なコンディションに足をすくわれた形となった。
小椋によれば、このようなコンディションの場合、状況次第で動く「しかない」という。
ライダーによってはアタックのタイミングが合わずにQ2ダイレクト進出を逃した選手もいる。例えば、フランチェスコ・バニャイア。変更したセッティングの方向が間違っていたこともあり、どんどん雲がやってきているのを見て焦ってしまい、タイミングが悪いなかでのタイムアタックとなった。
小椋もまた、転倒によって本来のタイムアタックでタイムを更新できなかったが、それ以前に記録していた1分29秒579のタイムで、9番手でプラクティスを終え、開幕戦はQ2ダイレクト進出を果たした。タイムアタックのタイミングも含め、難しいセッションだったのだ。
「これまでの(最高峰クラスでの)レースをすべて含めて考えて、今回がいちばん上位で走れていると思います」と、本人は自分自身を評価する。小椋曰く、土曜日の予選は「2列目以内ならすごくいいと思います」ということだ。
小椋のレース後半の強みを生かすには、レース前半で上位をキープできるところからスタートする必要がある。6番手よりも前のグリッドを獲得できれば、好結果の期待はかなり膨らむだろう。
ただ、一方で懸念もある。「今回は、スタートが不安で仕方がない」と言うのだ。
「例えば5回スタートしたら、2回はスピンしてしまうんです。一番大きな理由としては場所ですね。汚れているわけじゃないと思うんですけど、トラックがカチッとしてなくて……。最初はグリップしていても、完全に(クラッチを)つないでパワーが来たときに滑り始めたりもするので、ちょっとね、ライダーもどうなるかがあまりわからないというか。スタート、すごく怖いですね」
「最終コーナーを立ち上がったあと、(メインストレートで)ある程度、みんなが通っていくような場所はきれいですが、誰も通らないようないちばん右側などは本当にひどいです。だから、今回の場合はグリッドが6番手より5番手、5番手より4番手の方がいい(前のグリッドがいい)、というわけでもないんですよね。すごく難しいと思います」
グリッド順とともに、どの「場所」からスタートするのかもポイントになるということだ。開幕戦の小椋がどのグリッドと「場所」からスタートするのか、そしてレース序盤の位置取りを含めて注目したい。開幕戦の予選とスプリントレースが、まもなく始まる。




























