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セパン公式テスト前日取材より| 小椋藍のMotoGPクラス2年目と、若い世代と走る理由

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©Eri Ito
2月3日から始まる2026年シーズン開幕前のセパン公式テスト。
その前日、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われた囲み取材に、小椋藍が姿を見せた。
最高峰クラス2年目を迎える今、何を感じ、何を見据えているのか。
オフシーズンに若い世代と走る理由についても語った。

1年分の経験を糧に2年目のシーズンへ

2月3日から5日にかけて、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで2026年シーズンの開幕前公式テストが始まる。その前日である2月2日、サーキットで各ライダーの囲み取材が行われた。

すべてのチームがこの囲み取材を設定したわけではなかったが、多くのライダーがメディアセンターに姿を見せ、あいさつを交わしつつ、久々のメディア対応を行った。こうした光景に、新しいシーズンの到来を感じる。小椋藍もまた、2025年バレンシア公式テスト以来となる、チームの囲み取材にやって来た。

最高峰クラス2年目のシーズンを迎えた心境について、小椋はこう語った。

「1年戦ったので、(今年は)少し落ち着いていると思います。(2025年は)まずバイクを理解してからいろいろなところを進めていこう、という感じでしたから。今は、もう1年分の経験があるのでいろいろなことを進めるにあたり、早めに取り組んでいけると思います」

1年前のセパン公式テストを振り返って、今現在と比べたとき、小椋は自分にどんな変化を感じているのだろうか。

「簡単に言うと経験じゃないでしょうか。『ライディング』と、『オートバイに乗っていないときにできる準備』という、大きくは二つに分かれると思いますが、その二つの面で昨年1年走った経験は大きいと思います。

小椋は、トラックハウス・MotoGP・チームと2年契約(2025年、2026年)である。2年目という意味でも、契約更新あるいは新たな契約という意味でも、具体的な結果が必要となるだろう。

しかし、小椋のスタンスはぶれることがない。

「自分としてはやれることをやるだけです」

「そのときに自分ができるベストを常に尽くし続けたいと思っています。あとは周りが自分を判断する。どう評価するのかは、周り次第ですから。僕は、やるべきことをやって頑張るだけです」

あくまでも自分に集中している。言葉だけ切り取れば、ライダーがよく言う「自分に集中する」というものに聞こえるかもしれない。しかし、小椋のこれまでのスタンスや姿勢を見ていれば、それが「小椋藍のスタイルを貫いている」のだとわかる。そしてこのぶれない姿勢こそが、小椋の強みの一つであると言えるだろう。

ところで、小椋はオフシーズン、主に日本でトレーニングを行っている。埼玉県桶川市にある桶川スポーツランドでよくトレーニングしているのは知られている話だ。桶川では、小椋のトレーニングを聞きつけて集まった若いライダーとともに汗を流しているという。トレーニングにも様々な形がある。例えば、オフシーズンもヨーロッパに残ってトレーニングするという選択肢もあるだろう。そこで、小椋が日本でトレーニングする理由について尋ねた。そこには、「若いライダーへの自分の影響」を意識しているところがあるのではないか、と。小椋の回答は、とても興味深いものだった。

「大きく分けて、理由は二つあります」と、小椋は答える。

「一つは若いライダーのため、そして、もう一つは自分のためですね」

「今はどのオートバイに乗っても、僕の方が若い子たちより速いです。今の若い子たちと比べたら、それなりに経験も積んできていますからね。だから、一緒のコースで同じ時間をシェアしながら、僕から学べるところを自分で持っていってもらいたいな、と思っているんです」

「それから、僕は積極的に自分より若い世代、若い年のライダーと練習するようにしています。それは、新しいものはいつも新しい世代から生まれてくると思うからです」

「そういったところで僕としても乗り遅れないように、と。若い子たちってすごく可能性を秘めているんですよ。急に変なことをし出して、『なんだ、これ』と思ったりもするけれど、それが何年後かにトレンドになったりもします。そういう学べるところがあったら、僕も取ってやろうと思っている。理由としては、その二つですね」

若いライダーへの「継承」ともいうべき活動を、小椋はその走りを同じコース上で見せることで、すでに行っているということだ。現役のMotoGPライダーのそれは、これからのライダーに向けた大きなメッセージになっていることは間違いないだろう。

そして同時に、小椋は常に「最先端」を求め、「さらなる高み」のライディングを追い求めている。

バレンシアGPでインタビューしたとき、小椋はこう語っていた。

「結局はね、バイクに乗るのがどれだけ上手いか、なんですよね。いつまでもそこにかかってくると思います」

「もっと、上手く」。そのために視線を向ける先は、世代を問わない。その姿勢にあるのは、純粋な貪欲さだ。

オフシーズンもその問いと向き合い続けてきた小椋藍の、2026年シーズンが始まる。まずは、セパン公式テストだ。


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