今季、ルーキーとしてMotoGPクラスに挑む小椋藍。
そのクルーチーフを務めるのがジョヴァンニ・マッタロッロだ。
アプリリアの生え抜きエンジニアとして多くの経験を積んできたマッタロッロは、今季から小椋を支えている。
マッタロッロが語る「クルーチーフの役割」、そしてブレーキングやスロットル・コントロールに見える小椋の真価とは。
「小椋藍は、とても特別なライダー」
トラックハウス・MotoGP・チームの小椋藍のピットが国際映像に映し出されると、決まって小椋の横に座っているのがクルーチーフのジョヴァンニ・マッタロッロである。マッタロッロは2025年に小椋がMotoGPクラスに昇格してトラックハウス・MotoGP・チームに所属するとともに、小椋のクルーチーフになった。
インタビューを行ったチェコGPの木曜日、イタリア人のマッタロッロは、わたしが自己紹介をするとにっこり笑って「ジョヴァンニです」と右手を出し、ぎゅっとこちらの右手を握った。笑顔になるときゅっとチャーミングなしわが顔に浮かぶ。
小椋曰く、今季から組んでいるマッタロッロは「クルーチーフって感じ」だそう。
「僕はまだセッティングについてうるさく言っていないので、そういう細かい会話はしていないですけれど、自信も感じるし、決断力もあると思います。最後に決めるのはライダーやクルーチーフですから。周りの人を引っ張っていく力も必要ですが、そういうものを感じます」
マッタロッロの経歴について軽く触れておこう。
マッタロッロは、大学卒業後、アプリリアでシャシーデザイナーとして働き始めた。まさに、生粋のアプリリア・エンジニアだ。やがてイタリア選手権をはじめとするレースに携わるようになり、スーパーバイク世界選手権(SBK)、MotoGPにたどり着いた。
最初はファクトリーとサーキットをつなぐビークル・エンジニア、その後、データ分析を重点的に担い、クルーチーフに情報を伝えるパフォーマンス・エンジニアを経て、2020年にテストチームのクルーチーフとなる。そして、2021年の後半からはマーベリック・ビニャーレス、2023年からはミゲール・オリベイラと組んだ。
なお、小椋は2024年までのオリベイラのチームに入る形となったので、クルーチーフであるマッタロッロだけではなく、基本的にはエンジニアやメカニックたちも以前のオリベイラ担当である。
マッタロッロは、クルーチーフとして「最も重要なこと」は「“単なる技術者ではない”、ということ」だと言う。
「もちろん技術者ではありますけどね。MotoGPでは、いまや技術レベルも、扱わなければならない事柄も驚くほど高度です。タイヤ、サスペンション、シャシー、戦略、エンジン……あらゆるものを管理しなければなりません」
「これらすべての分野で専門家である必要はありませんが、それらをどう組み合わせて正しく機能させるか、そしてそれぞれの分野の専門家とどう話をするかを理解している必要があります。幸い、それぞれの部門には専門家がいます。彼らと話し、ともに作業し、実際にバイクに乗るライダーを考慮しながら、すべてを最良の形でまとめる方法を理解しなければなりません」
「そしてもう一つ大事なことは、“ライダーとどう向き合うか”です。技術的な面、競技的な面、そしてメンタル面。この比重は50対50だと、私は思います」
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