イタリアのモータースポーツ用品メーカー、アルパインスターズはMotoGPのライダーたちへのサポートを行っている。二輪ロードレースの最高峰では、どのようなレーシング・サービスが行われているのだろうか。
MotoGPチェコGPで、アルパインスターズのメディア・リレーションズ・マネージャー、クリス・ヒラードさんに聞いた。
マルク・マルケスの超人的ライディングスタイルが生んだ技術
2025年シーズン、アルパインスターズはMotoGPクラスでは8人、Moto2クラスでは3人、Moto3クラスでは6人のライダーをサポートしている。日本人ライダーとしては、Moto3ライダーの古里太陽だ。なお、古里はレザースーツだけではなく、ヘルメットもアルパインスターズを使用している。
アルパインスターズのヨーロッパのMotoGPにおけるレザースーツのサービスは、サーキットのパドックに停められた、テクニカル・トラック内で行われる。テクニカル・トラックは2階建てで、1階はレザースーツのサービス、階段で上がった先の2階は、エアバッグとヘルメットのサービスが行われている。トラックには、常時、7~8人のスタッフが作業しているということだ。
アルパインスターズはMotoGPへの登竜門となるイデミツ・アジア・タレントカップやレッドブル・ルーキーズカップの全ライダーのサポートも行っているので、併催のグランプリではさらにそれらの対応も加わる。なかなかの大所帯である。
なお、テクニカル・トラックはヨーロッパのMotoGPでだけ見られるものだ。ヨーロッパは陸続きなので、こうしたテクニカル・トラックや各チーム、サプライヤーのトレーラーやトラックが走って移動できるのである。ただ、海を渡ることはできないため、例えば日本GPでは、テクニカル・トラックの設備をすべて、ポーターキャビンで持って行くことになる。
ところで、レースウイークでは各ライダーにつき何着のレザースーツが用意されているのだろうか。
「各レースの週末に向けて、全MotoGPライダーに対して最低でも4着、完全に機能している最新仕様のレザースーツを用意するようにしています。これは最低の数で、例えばマルク・マルケスのようにレザースーツを5着持つライダーもいますよ」
「スーツの仕様にもいくつかのバリエーションがあります。例えば、パンチングがまったくないレザースーツを使っているライダーもいます。これはウェットコンディション用で、完全な防水ではありませんが水を弾く処理が施されていて、パンチングがないために水が入り込まないようになっています。ただし、これが機能するにはかなり寒い環境でなければなりません。というのも、体から発せられる熱を逃がすために通気が必要だからです」
「私たちがこのレース現場で得た知見は、基本的にすべて、市販製品のレザースーツに反映されています」
過去にはこんなことがあった。MotoGPクラスで6度のチャンピオンに輝いた、マルク・マルケスのケースだ。ちなみに、マルケスはロードレース世界選手権以前からアルパインスターズのブーツとグローブを使用しており、125㏄クラスにデビューした2008年からレザースーツを着用している。キャリアのほとんどを、アルパインスターズのレザースーツで戦ってきたわけだ。
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【インタビュー】MotoGPという極限の世界で進化する、アルパインスターズのレザースーツとエアバッグ
https://news.webike.net/parts-gears/482185/
2025年8月22日掲載(「Webikeプラス」掲載ページでは、記事全文&全16枚の写真がご覧いただけます)
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