「結局はどれだけ上手か、なんですよね」
MotoGPクラスでのルーキーシーズンを戦った小椋藍は、まだバイクが手の内にないのだと言った。
その言葉から、小椋がずっと変わらないスタンスで、最高峰を追いかけ続けているのだとわかる。
それは、MotoGPクラスであっても変わらないのだと。
その先に、小椋は何を見ているのだろうか。
「やっぱり速い」。MotoGPクラスで知った現実
2025年シーズン、小椋藍は、トラックハウス・MotoGP・チームから最高峰クラスに参戦した。チャンピオンシップのランキングは、16位。ベストリザルトは、スプリントレースが4位(タイGP)、決勝レースが5位(タイGP)である。
ルーキーシーズンを戦って、小椋はこの結果と最高峰クラスを、どう感じたのだろうか。バレンシアGPの木曜日、インタビューを行った。このタイミングでのインタビューは、つまり最終戦バレンシアGPを走る前ということになる。ただ、シーズンの話を聞くには十分だった。
インタビューに指定された場所は、トラックハウス・MotoGP・チームのホスピタリティだった。ホスピタリティは、ライダーを含むチームスタッフが食事をしたり、ミーティングをしたり、ゲストを迎えるのに使用される各チームの移動式施設である。
小椋はエスプレッソをスプーンでかきまぜながら、「やっぱりライダーは速いですね」と、MotoGPクラスのレベルについて語り始めた。木曜日のホスピタリティ、とりわけランチタイムを過ぎた時間に人は多くはなく、小椋がソーサーにスプーンを置く“カチャリ”という音が響いた。
「やっぱり……、層が厚いです。MotoGPマシンが難しいというわけではないんですね。バイクのレースというのは、『自分に与えられたもののなかで、何ができるか』で、それは(これまでのクラスと)同じです。MotoGPにいるライダー全員に、ここにいる理由があって、それはもちろん『速いから』です。単純に、人間の(ライダーの)レベルが高いですね」
MotoGPクラスのレベルとしては、「思っていたくらい」だった。「そもそも、難しいことは予想していましたから」。
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